MARCELLO LIPPIが語る433

MARCELLO LIPPIが語る433
MARCELLO LIPPI

–433について話しましょうか…

う〜ん、まず433に触れる前に、真の問題は心理的側面にあるということを指摘しておきたいね。戦術について語る場合、精神状態が悪ければまったくの無駄だということさ。

—例えば…

チームはそれぞれ固有のアイデンティティや組織があり、
これらと互いに助け合う選手の謙虚さ、性向を組み合わせなければならないということ。

–それでは433については…
私のキャリアのうちで良く使った布陣さ。ただこれが全てではないよ。
監督はゲーム中、複数の解決法法を見つけなければならないと考えている。

–それは..

例えばユベントスの1年目433の3トップはラバネリ、ヴィアリ、デルピエロ。
ヴィアリ、ラバネリは強さを持ったタイプだが速くはない。
そのため前線からプレスを掛け、相手ゴール近くでプレーさせた。

ボクシチ、パドヴァーノやインザギ、デルピエロやジダンがいたころは速いパス回しからFWに渡すことを心掛けたんだ。

–攻撃面ではどういうことを期待しましたか?

全てはアタッカーの性質による。これは強調しておきたい。
もちろん、いくつかのガイドラインを授けることはするが、それに全く従うことは期待してないよ。
ジダン、デルピエロ、ヴィアリがいたとして、コーチの期待通りの動きからゴールが生まれると思うかい?
ただ、戦術的動きを必死に実践してくれた選手もいたよ。

監督の役割は、物事を簡単に解きほぐすこと!!
簡単といっても即興的なものでもないし、混乱を意味するものでもない。
個の才能と組織とのバランスを見つけることなのだ。
433といってもいろんな組合せがあるし。

–守備の局面では?

2人では守らないということ。2対2の局面で守れる場合もあるが、私は3人目の選手が必要だと考える。バックスがオーバラップした場合、中盤がディフェンスに入ります。ユベントスではデシャンのように。

–センターバックについては?

ファイティングスピリットを持った強くて速い選手が必要だね。

—足が遅い場合は?

足の遅い選手がいたことはないよ。ただその場合は、ポジションングについて修正し、組織を高める必要がある。
CBをサポートし、オフサイドトラップを試みる必要があるね。そうじゃないと、スピードのある相手に対しては広いスペースをカバーできないから。

—先程前線からのプレスについて出ましたが、433ではどのように?

ユベントスの3トップの場合、ポゼッション時にはそれぞれ決められたポジションから攻撃が始まる。
デルピエロは守備で違うポジションにいても、攻撃時には左ウィングに戻る。
たとえ決められたやり方で攻撃できなくても、守備の時には対面の相手を中盤までマークする。このため攻撃に移る為にしは少し時間がかかるね。

—ジダンが来てからやりかたを変えましたか?

いや、全く変えなかった。ジダンはモダンなNo.10だ。彼はボールを失っても、相手を追い掛けて守備をした。
しかもテクニックを兼ね備えている。もちろん、彼がユベントスにいたころは433で2トップの下に置いた。
彼のできる範囲で守備に奔走し後ろを助け、トレーニングにも積極的だった。
すぐにボールを奪い返せない時には、ジダンは中盤のラインまで下がって守備をしたんだ。

—守備と攻撃についてはどのようなプランを立てましたか?

とてもシンプルさ。守備では必要に応じて多くの場面を想定して分析した。
それをもとにシチュエーショントレーニングに落とし込み、最後にはゲームの中でできるようにした。

攻撃については相手の布陣を念頭において、いくつかの解決法と戦術を伝えた。
同じような方法論は守備陣にも伝えた。
ただ3年目以降は、ユベントスのアイデンティティを確立したので、多くのテーマを試合のなかで試した。これには二つの目的があって

・選手のモチベーションをあげる

・すでに練習で何度も繰り返したことを避けるためさ

リッピの言葉 2

選手の役割について,しばしば監督はその選手自身の考えとは異なることがある。

そうした場合,あくまでも自分の姿勢を選手に要求し,さらに,異なるポジションに起用しようと,選手を説得するのはなかなか容易ではない。

仕事や日常の対話を通じて納得させる。しかし,全てが組織化されているチームに置いては,こういう問題はなく,選手はすぐにその役割に適応しなければならないと理解している。

その結果,今年加入した選手も,最初は別のポジションでプレイするのを望んでいたとしても,すぐにそのポジションに適応する。

グループのスローガンは『我々』であり,『私』ではないことを理解しているからだ。『私』に固執していては勝てない。

リッピの言葉

すべての根底にあるのは,否定的な経験からも,肯定的な何かを見つけ出すという,人間の知性だ。

説明しよう。私がフォーメーションとメンバーを読み上げるときに,名前のなかった選手がムッとしないのをみると,彼は上手く自分の『仕事』ができていないのだなとおもう。そして,ピッチに入る時は,この状況が再び起こる事を避けるためにも,全力を尽くす。

 

実際,選手が監督を困らせる事は仕方のないことだ。選手全員が最良のコンディションにあれば誰を,ピッチに送り出すかの選択はかなり難しくなる。ところが,何人かはよく練習し,何人かは仕事をきちんとしないのであれば,当然,選択は簡単だ。
この場合,怒るのは監督だが,誰をプレイさせたらいいかは選手もよく理解している。